<ヘッジファンドの運用戦略が変化> 地域別に見ると、7月に216億ドル売り越していた英国が、8月には252億ドルの買い越しに転じたのが目を引く。英国には多くのヘッジファンドが拠点を構えており、彼らが8月に運用戦略を変化させたことで、米国への資金の流れが変わった見方もある。 「ヘッジファンドの多くは、それまでは金、天然ガス等の資源ロングの米債ショートというポジションだったが、彼らは8月にそれを転換し、米債ロング/資源ショートに切り替えた。この動きは米国へ向けた大きな資金のうねりを発生させた」(外銀筋)という。 この動きに乗り遅れたのが米ヘッジファンドのアマランスなどだ。 コネチカット州グリニッチに拠点を置くアマランスは、エネルギー取引で約64億ドルの損失を被り、運用資産の純資産価値が9月に70%近く低下したことを明らかにした。8月に約92億ドルに達していた同ファンドの運用資産は、9月末時点で約27億8000万ドルに落ち込んだ。 <米国の利下げはさらに証券投資を呼び込むか> 「8月は追加利上げが終わって、FRBも利上げサイクルに打ち止め感を出してきた。市場は利下げに移ることを織り込み始めていたので、それを素直に移す形で証券投資が増えたのだろう」とJPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉FXストラテジストは言う。利下げを織り込んだ対米証券投資が今後続くのであれば、ドルにとってポジティブな要因だと棚瀬氏は語る。 [東京 18日 ロイター]
流れは資源から株へ
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